365日に快適を添える魔法の素材。

「天然のエアコン」と呼ばれる程に優れた調湿性。

涼しいのに、暖かい。

年間を通してご利用頂けるメリノウール。

一度着ると病みつきになる素材で私たちアパレルメーカーに勤めるスタッフをも

虜にするすごい子なんです。

そんな快適素材のメリノウールですが、反面

メリノウールって取り扱いが難しいそう。

ウールなんてどうやって洗えばよいか分からない。

そんな声や

ウールは洗うと縮むんでしょ?

そういった声が良く聞かれます。

せっかく手に取って頂いたメリノウール。

良さを損なわせずにより長くご利用頂くために。メリノウールのお洗濯方法を解説致します。

正しく洗えば縮みも少なく長くご愛用頂けますので是非実践してみてくださいね。

まずは洗濯表示を

メリノウールのお洋服に限らずお洗濯の前には洗濯表示を確認するようにしましょう。

多くのアイテムは左側の縫い目に沿って縫い付けられていることが多いですが、

プリントで印字してある場合などもありますので探してみてください。

洗濯表示を見て洗濯機で洗える物なのか、手洗いが良いのか、クリーニング専用なのかを調べましょう。

SPANのメリノウールは手洗いOKだからと言って他のメーカーさんのメリノウールのお洋服が

同じように手洗いOKとは限りません。

同じ毛100%でも綿100%でも製造工程や加工の違いによってお取り扱い方法は変わりますので

必ずチェックしてくださいね。

洗剤の選択

いよいよお洗濯のお話。

まずはメリノウールに適した洗剤のご案内です。

ウール専用の洗剤があり、それらはウールの毛質に適しており、お洗濯による繊維への刺激が限りなく少ない成分となっております。

可能であればそういったウール専用の洗剤を用いてのお洗濯が理想です。

もしご用意が難しい場合は、おしゃれ着洗い用の洗剤、もしくは中性洗剤をご使用ください。

縮みの原因となりますので「アルカリ性の洗剤」のご利用はお避け下さい。

よくお問合せ頂きますが、オキシクリーンなどの酸素系漂白剤を使用したお洗濯はお避け下さい。

酸素系と表記されているために、誤解されがちですが酸素系漂白剤はアルカリ性となります。

お洗濯の方法

メリノウールは摩擦に弱い為、手洗いでの押し洗いを推奨いたします。

洗濯桶などに30℃以下のお水を張り、既定の量の洗剤を投入後、よく撹拌ししっかりと洗剤を溶かしてからお洋服を投入してください。

お水に浸すようにメリノウールのお洋服を入れて頂きますが、メリノウールは撥水効果のある羊毛を使用しております。

水に浸けたときには染みこまずに水を弾く事が御座います。

その際も無理に染みこませようとせず、優しく上から押して沈めるようにしてください。

その後出来る限り素早く押し洗いをしてください。(こすり洗いや5分以上の長時間のお洗濯はお避け下さい。)

脱水方法

お洗濯が終わったら続いては脱水。

脱水は少し手間ですが手で脱水をするように心がけましょう。

平らな場所でバスタオルで挟み水分を吸い取るようにしてください。

洗濯機の脱水機能の多くは、遠心力を使用し回転させながら水分を飛ばすものとなります。

回転による摩擦に加えて、繊維にねじれや歪みが生じ、お洋服が変形する可能性があります。

その為洗濯機を使用しての脱水は極力お避け下さい。

乾燥方法

風通しの良い場所での自然乾燥を心がけましょう。

干す前に本体や袖を横方向に皺を伸ばすように、少し引っ張ってから干して頂くと縮みや皺、型崩れを防ぐことが出来ます。

可能であればお洋服を広げて平らに干す「平干し」を推奨します。

乾燥機の使用は縮みや毛玉の一番の原因となりますのでお避け下さい。

羊毛は主成分がタンパク質である事から、カビが発生しやすい為、十分に乾燥した事を確認の上取り込んで下さい。

洗濯機で洗えませんか?

SPANのメリノウールは手洗いを推奨しておりますが、以下をご注意頂けましたら洗濯機のご使用も可能となります。

・摩擦の軽減のために他の衣類とは一緒に洗わず単独洗いをしてください。

・裏返して洗濯ネット入れて洗ってください。

・脱水の前に一度取り出してバスタオルなどで水気を取り、形をきれいに整えて脱水をしてください。(お洗濯後のお洋服はねじれが生じておりますのでねじれを優しくほどきたたんでから脱水を行ってください。)

柔軟剤は使用しても良いですか?

メリノウールの性質を活かすためにも柔軟剤は使用しない方がベストです。

メリノウールの繊維の表面はうろこ状になっております。これが開いたり閉じたりする事により優れた調湿性を発揮します。ですが柔軟剤を使用するとこのうろこの表面にコーディングがされて調湿性が損なわれることが御座います。

ただチクチクや風合いが気になる場合もあるかと思いますのでその際は規定の量を超えない、少量での使用をお願い致します。

なぜ30℃の水なの?

お湯を使用しお洗濯をした方が汚れが落ちやすいのですが、メリノウールは熱に弱い素材となります。

羊の体温を超える39℃以上となるとより縮みが発生しやすくなってしまいますので、縮みが発生しづらく汚れが落ちやすい30℃でのお洗濯を推奨しております。

コインランドリーなどには一部お湯を使用しお洗濯を行う機械も御座いますのでご使用前に必ずご確認ください。

乾燥機で縮むから大きいサイズを・・・

乾燥機の使用を前提に、少し大きめのサイズの購入を検討される方が見えますが、こちらは絶対にお避け下さい。

メリノウールの縮みは繊維の表面同士が絡まり変形することにより「フェルト化」による縮みです。

フェルト化による縮みは一律ではなく状況によっては着用できない程に縮む場合も御座います。

メリノウールの実は・・・。

お洗濯の方法をここまでご説明させて頂きましたが、メリノウールは実は毎回洗う必要がないんです。

その理由がウールの本来の機能として、ニオイが付きづらく、汚れにくい機能を持っている為。

お洗濯の方法でも少し触れましたが、天然の撥水効果があり、水を弾くという事は汚れも付きづらいと言う事。

加えて雑菌の繁殖を防ぐ効果があるので頻繁に洗わなくても清潔が続く素材なんです。

旅行や登山など荷物を少なくしたいときにも、汚れもニオイも付きづらいメリノウールは重宝します。

気温や天候での不快感を、着るだけで解決できる本当に優れた素材のメリノウール。

快適さを維持するため、ちょっとしたひと手間をかける事で長く、快適にご愛用頂け、

環境にも優しい。

「羊からの贈り物」のメリノウール。

是非長きに渡ってご利用ください。