
洋服に使われる素材の中でも一番有名と言って良い程の素材
【綿 コットン】
一概に綿と言っても産地や品種によって風合いや表面感が異なります。
また繊維の長さ(繊維長)によっても、表情がガラッと変わる綿という素材。
一番有名だけど、実はとっても奥が深い素材の綿 コットン。
今回はその綿の中でも
【綿の宝石】と称される品質の
超長綿に関してのおはなしです。
目次
繊維長のおはなし。

まずは綿の宝石の説明の前に大前提の繊維の長さ、繊維長のお話を。
綿は使用する繊維の長さによって大きく3種類に分けられます。
短繊維
繊維長が21mm以下の繊維。
繊維が短いため毛羽立ちやすく、耐久性ではやや劣る傾向があり、衣料品に使用されることはあまりありません。
コストが抑えられる利点があり、クッションや布団の中綿、工業用素材など、衣料品以外の用途で幅広く活用されています。
特に中綿としての特性を活かした製品には不可欠な素材です。
中繊維
繊維長が21〜28mm程の長さのコットン。
世界の綿流通量の90%以上をを占める中繊維は、衣料品の主素材です。
コットンらしく繊維が柔らかく、滑らかな質感を持ちながら、耐久性も十分で、織物にすると均一で美しい仕上がりになります。
Tシャツやシャツ、パンツなど、多くの衣料品がこの中繊維から作られています。
品質とコストのバランスが取れており、広く普及しているのが特徴です。
長繊維・超長綿
繊維長が28mm以上の物を長繊維と、その中でも繊維長が35mm以上の繊維は超長綿と呼ばれています。
長繊維は綿全体の流通量の中でも、わずか数%。
その中でも超長綿は希少で綿全体の1%未満の生産量。
非常に長くしなやかな繊維が生み出す、シルクのような光沢感と、カシミヤのような柔らかな肌触り。
綿の中でも最上級の超長綿は
【綿の宝石】
と称されるほど。
繊維が長いため毛羽立ちがほとんどなく、耐久性も非常に高いのも特徴。
高級シャツやドレス、その他特別なアイテムに利用される素材です。
超長綿はその美しさと希少性から高級ブランド製品にとって特別な価値を持つ素材です。
長繊維と短繊維の違い

繊維長が長いものの方が、短いものに比べて肌触りや光沢感が優れているのは先ほどの説明通りですが
もう少し詳しく、超長綿の優れた点をご説明を。
生地の滑らかさと均一性
繊維が長いと、繊維同士がしっかりと結びつき、生地の表面が滑らかで均一に仕上がります。
これにより毛羽立ちが抑えられ、見た目の美しさや触り心地の良さが際立ちます。
また、摩擦や引っ張りにも強く、耐久性が向上するため、洋服は長期間美しい状態を保ちます。
さらに滑らかな表面は汚れも付きにくく、お手入れのしやすさも特徴です。
柔らかく快適な触り心地
長い繊維は表面が連続的で途切れることがなく、非常に滑らかで柔らかな触感を持っています。
超長綿は特に均一でしなやかであり、カシミヤのような柔らかさが特徴です。
肌に優しく、敏感肌の方でも安心して着用できるため、シャツやドレスなど肌に触れる衣類に最適です。
さらに、摩擦が少なく、長時間着用しても快適さが損なわれません。

美しい光沢と鮮やかな発色
長繊維の整った表面は光を均一に反射し、シルクのような自然な光沢を生み出します。
また、染料を均一に吸収するため、鮮やかな発色と色持ちの良さを実現します。
短い繊維では染料がムラになりやすいですが、長繊維は均一な染め上がりが得られ、高級感のある仕上がりになります。
このため、ドレスやシャツなど特に見た目が重視される衣類に適しています。
優れた通気性と吸湿性
長繊維は繊維同士がしっかり密着し、生地を緻密に織ることができます。
この密度の高さが通気性と吸湿性を向上させる要因となり、夏には汗や湿気を素早く吸収して蒸発させ、涼しい状態を保ちます。
冬には繊維間に空気を含むことで保温性を高め、暖かさを維持します。
この快適性は、季節を問わず快適な着心地を提供する洋服において大きな価値を発揮します。
スビン?スーピマ?産地による違い

繊維長の違いによって見た目の違いや品質の違いがあることはお分かりいただけたかと思いますが、他にもコットンの素材の見た目や風合いにかかわる大きな違いがあります。
それはコットンの産地の違い。
同じ繊維長でもコットンの産地によって品質や風合いが異なります。
コットンは一番有名な素材なので、原材料の綿花も多くの国で生産されています。
生産国の中でインドが最も多くの綿を生産しており、次いで中国、アメリカの順となっています。
生産国が違うだけで同じ綿でも雰囲気がガラッと変わってきます。
spanで取り扱いのあるスビンコットンやスーピマコットンについてもこちらでご紹介を。
スビンコットン
インドの長繊維綿スジャータ(SUJATA)とセントビンセント島産の海島綿(St.VINCENT)との交配によって生み出された 「スビン」は、他の綿よりも繊維が細くしなやかで、シルクの様な光沢とカシミアの様な肌触りが特徴です。
インド南部のタミル・ナードゥ州の限られた農家だけで栽培され、超長綿の中でも希少性が高く 生産量は超長綿全体のわずか0.05%しか生産できない超貴重で希少価値や高い品質から ”綿の宝石”と呼ばれるほどです。

おすすめのアイテム:
スビンコットン Vネックカットソー
スビンコットンの中でもより貴重な”ファーストピック(初摘み)”のみを使用した「スビンプラチナム」を使用。本物を知る大人の女性を彩る、プレミアムカットソーです。

おすすめのアイテム:
スビンコットン ハイネックカットソー
Vネックと同様「スビンプラチナム」を使用したハイネックカットソー。程よい高さのハイネックで首元まで上品に飾る一枚です。

おすすめのアイテム:
スビンコットン 半袖Tシャツ
こちらも同様に「スビンプラチナム」を使用した半袖Tシャツ。カジュアルになりがちな夏のTシャツスタイルをきれいめに着こなせる一枚です。
スーピマコットン
スーピマとは、USAコットンの中でも繊維長の長い綿花が使われているものの名称です。
米国のスーピマ協会が定めた厳正な基準を満たすものにだけその名称が許されます。
元々 通常のコットンに比べ、毛羽立ちが少なく光沢に優れ、丈夫なUSAコットンですが 超長綿を使用することでより光沢感があり、しなやかで高級感のある生地に仕上がります。

おすすめのアイテム:
スーピマコットン モックネックTシャツ
上品なシルクのような光沢のスピーマコットンを使用。バルーン風の袖やモックネックで上品さに大人可愛いをプラスしたアイテムです。

おすすめのアイテム:
スーピマコットン ハイネックノースリーブ
上品な光沢に程よい厚みのUSスーピマを使用。一枚でもインナーとしてもご利用いただける極上の肌心地のアイテムです。

おすすめのアイテム:
スーピマコットン ドルマンスリーブカットソー
滑らかな肌心地のスーピマコットンを使用。一枚でこなれ感のある着こなしが叶うドルマンスリーブカットソー
その他にも
スビンとスーピマコットンを取り上げましたが、2つ以外にも上質な超長綿はいくつかございます。
spanでは取り扱いは御座いませんが、どちらもスビンやスーピマにも引けを取らない程の上質なコットン。
・エジプト綿の最高位「ギザ」
・カリブ海のプレミアム綿「シーアイランドコットン」
実はこれも超長綿

リバティの「タナローン」も超長綿を使用した素材。
上質で繊細なリバティのプリントは、超長綿を使用しきめ細やかな生地の上にプリントすることで
細かな線が繊細に描くことができ、発色も良く表現可能です。
リバティに関しましては別のコラムをチェックしてみてくださいね。
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